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ビルメン4点セットと聞くと、一般的には次の4つの資格を思い浮かべます。
・第二種電気工事士
・危険物取扱者乙種4類
・二級ボイラー技士
・第三種冷凍機械責任者
しかし、今回紹介するのは資格ではありません。
新人ビルメンが設備巡回へ持って行く、もう1つの「ビルメン4点セット」です。
私は50歳のとき、未経験から病院ビルメンになりました。
現在は、電気、空調、ボイラー、給排水、ナースコールなど、病院内で発生するさまざまな設備トラブルに対応しています。
設備巡回では、多くの工具を持ち歩けばよいというものではありません。
工具が多すぎると重くなり、毎日の巡回が大変になります。
そこで今回は、私の経験から、新人ビルメンが最初に持っておくと便利だと思う最低限の工具を4つ紹介します。

工具を持つ前に、安全な服装を確認する
新人ビルメンになったら、まずは安全に作業できる服装を整えます。
作業服については、会社から指定されたものを着用する場合が多いでしょう。
私が設備巡回で最低限必要だと思うのは、次の装備です。
・作業用手袋
・安全靴
作業場所や内容によっては、ヘルメットや保護メガネなども必要です。
必要な保護具は勤務先によって異なるため、必ず会社や施設のルールに従ってください。
会社から工具や保護具が支給されている場合は、同じものを個人で購入する必要はありません。
もう1つのビルメン4点セット
私が設備巡回へ持って行く最低限の工具は、次の4種類です。
2.プラスドライバー2番
3.LED懐中電灯
4.検電器またはテスター
本格的な修理に入るときは、作業内容に合わせて工具を追加します。
しかし、機械室や電気室などを巡回して、設備の状態を確認するだけなら、最初から重い工具箱を持ち歩く必要はありません。
まずは最低限の工具で巡回し、異常を見つけたら、必要な工具を取りに戻る方法でもよいと思います。
①マイナスドライバー
最初に紹介するのは、マイナスドライバーです。
プラスネジと比べると、マイナスネジを見る機会は少ないかもしれません。
それでも設備管理の現場では、マイナスネジを回したり、カバーや部品の状態を確認したりする場面があります。
今回選んだのは、フジ矢の電工ドライバー「556D-BG」です。
サイズはマイナス5.5、軸長は150mm。
黒と金を組み合わせた「黒金シリーズ」で、プラスドライバーとデザインをそろえられます。
ドライバーを選ぶときは、握りやすさに加えて、先端や軸カバーに摩耗や破損がないか確認することも大切です。
なお、ドライバーを無理にこじる道具として使うと、先端の破損やケガにつながります。本来の用途と会社の作業手順を守って使用してください。
②プラスドライバー2番
2つ目は、プラスドライバーです。
設備管理の現場では、カバーや器具などにプラスネジが多く使われています。
なかでも、プラス2番は使用する機会が多いため、最初に持っておきたいサイズです。
今回選んだのは、フジ矢の電工ドライバー「526D-BG」。
先端はプラス2番、軸長は150mmです。
握りやすいグリップ形状で、先端のマグネットがネジを保持しやすくなっています。
マイナスドライバーと同じ黒金シリーズなので、2本をそろえると見分けやすく、腰袋へ入れたときにも統一感があります。
ただし、軸にカバーが付いていても、ドライバーだけで感電を防げるわけではありません。
電気設備に関わる作業では、停電確認や検電など、勤務先で定められた手順を優先します。
③LED懐中電灯
3つ目は、LED懐中電灯です。
機械室や電気室には照明がありますが、設備の裏側や配管の奥、天井裏などは暗く、照明だけでは確認しにくい場所があります。
漏水、油漏れ、配線の外れ、表示ランプ、機器の銘板などを確認するときも、手元を明るく照らせる懐中電灯が役立ちます。
懐中電灯を選ぶときに確認したいのは、次の点です。
・片手で持ちやすい
・腰袋へ収納できる
・充電方法が分かりやすい
・水や雨にある程度強い
今回候補に選んだLEDライトは、充電式ハンディライトです。
USB Type-Cによる充電に対応し、商品説明では乾電池でも使用できるとされています。防水性能はIPX7です。
設備巡回だけでなく、停電や災害時の備えとしても使えます。
ただし、高輝度ライトを人の顔へ向けたり、目の近くで点灯したりしないよう注意してください。
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④検電器|電気が来ているかを確認する
4つ目は、検電器です。
検電器は、電線やコンセントなどに交流電圧が来ているかを確認するときに使います。
今回選んだ長谷川電機工業の「HTE-610-Y」は、低圧交流専用の検電器です。
黄色なので腰袋の中でも見つけやすく、クリップで作業服などに取り付けられます。
電気は目に見えません。
そのため、検電器を持っているだけでなく、正しい使い方を理解する必要があります。
使用前には本体や先端に破損がないかを確認し、取扱説明書や勤務先の作業手順に従って使用します。
電気設備に触れる作業は、自己判断で行わず、資格、教育、作業範囲、上司の指示を確認してください。
テスターは必要に応じて追加する

検電器とテスターは、同じものではありません。
検電器は、電気が来ているかを確認する道具です。
一方のテスターは、電圧、抵抗、導通などを測定するときに使います。
今回選んだオーム電機の「TDR-201」は、ロータリースイッチ式のデジタルマルチテスターです。
オートレンジに対応し、測定値を固定するディスプレイホールド機能や、ブザーによる導通試験機能があります。
テスターは設備の故障原因を調べるときに便利ですが、新人が説明を受けずに電気設備を測定するのは危険です。
レンジや端子の選択を間違えると、感電やテスターの破損につながる可能性があります。
最初は先輩や上司から使い方を教わり、勤務先で許可された範囲で使用してください。
工具をまとめる腰袋があると便利
ドライバー、懐中電灯、検電器などをポケットへ直接入れると、取り出しにくく、歩いている途中で落とす可能性もあります。
そこで便利なのが腰袋です。
今回候補に選んだ腰袋は、複数のポケットが付いたベルトポーチ型です。
巡回用の腰袋を選ぶときは、次の点を確認します。
・大きすぎず、歩く邪魔にならない
・工具を取り出しやすい
・ベルトへ確実に固定できる
・工具の先端が飛び出さない
工具をたくさん入れすぎると腰への負担が増えます。
巡回では最低限の工具だけを入れ、本格的な作業が必要になったときに工具箱を取りに戻る使い方がおすすめです。
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スマートフォンも巡回で役立つ
工具とは別に、持ち込みが許可されている職場では、スマートフォンも役立ちます。
新人のころは施設内の構造が分からず、現在地や目的の設備が分からなくなることがあります。
また、設備に異常があった場合は、写真を撮っておくと上司へ状況を伝えやすくなります。
私は異常を発見したとき、必要に応じて写真を撮り、上司へ報告して指示を聞いてから行動しています。
口頭だけで、
「配管のあたりから水が漏れています」
と説明するより、写真を見てもらったほうが状況が伝わりやすいからです。
報告書へ写真を添付すれば、文章も、
「詳細は別紙写真参照」
などと簡潔にまとめられます。
ただし、私が働いているのは病院です。
患者さん、職員、カルテ、モニター、病室番号など、個人情報につながるものを撮影してはいけません。
スマートフォンの持ち込みや撮影については、必ず勤務先のルールに従ってください。
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工具を持つだけでは安全にならない
今回紹介した工具を持っていれば、どのような作業でもできるわけではありません。
特に電気設備では、工具の選び方以上に、作業手順を守ることが大切です。
・異常を見つけたら上司へ報告する
・作業前に電源や周囲の安全を確認する
・必要な資格や教育を受けた人が作業する
・会社から支給された工具を優先する
・工具の破損や劣化を使用前に確認する
新人のうちは、分からないことがあって当然です。
自分だけで直そうとせず、写真や設備名称、場所、異音、におい、表示内容などを伝えて、先輩や上司の指示を受けることが大切です。
まとめ|新人ビルメンは最低限の工具から始める
今回は、資格とは別の「もう1つのビルメン4点セット」を紹介しました。
2.プラスドライバー2番
3.LED懐中電灯
4.検電器
必要に応じてテスターを追加し、腰袋へまとめて巡回します。
スマートフォンの持ち込みが認められている職場では、設備異常の記録や上司への報告にも活用できます。
今回紹介したものは、私が病院ビルメンとして働いてきた経験から、巡回時に持っていると便利だと思う工具です。
勤務先によって、必要な工具や作業範囲は異なります。
最初から大量の工具を買いそろえる必要はありません。
まずは会社から支給される工具を確認し、足りないものだけを少しずつそろえる。
50代未経験からでも、最初から100点を目指さなくていい。
工具も仕事も、必要なものから一つずつ覚えていけばよいと思います。

